タイピングが速いプログラマは腕が立つ説 #1

公開日: 2012-01-13


先日の話。ややこしいコードにどうやって変更を加えたものかさんざん考えても名案が思いつかず一旦あきらめ。識者に助言を仰ごうと、その辺のコードに詳しいエンジニアのところに質問しにいったところ、質問を話し終える間もなく「ああ、そいうことはこうやるんだよ」といいつつ、問題のファイルを開いてズダダダとものすごいスピードでなにやら打ち始めた。

「ここはとりあえず、ペンディングというステータスを返しといてさあ(ズダダダ)、何でもいいから別スレッドに(ズダダダ)ポストアンドリプライで仕事を投げといて、新しく作ったステートのこのラベルのところにさあ(ズダダダ)、こうやってワーカープールから飛ばした(ズダダダ)コールバックでまた状態投げてループに戻せばいいわけ(ズダダダ)。このステートマシンはこういう感じで(ズダダダ)非同期な処理をやりやすく(ズダダダ)してあるからさあ(ズダダダ)いったん飛ばしても、すぐもどってこれるわけ(ズダダダ)。まあとりあえずこんな感じで(ズダダダ)スケルトンができるから(ズダダダ)」

かくして、何時間も考えていた問題が、5分もかからず、解決してしまった。「一体何でそんなにすぐわかるわけ?」と聞いてみると「僕はまあ(ズダダダ)こういうことを5、6回はやってるから、わかるんだよ(ズダダダ)」との答え。「はあ、それにしてもすごいですねえ。とにかく助かりましたよ。ありがとう」といって、その場を立ち去りつつも、「それにしてもあのスピードは一体なんなんだ?」との疑問が私の中でループし続けた。

このエピソードで思い出したのは、以前から思っている「タイピングがが速いプログラマは腕が立つ」という仮説である。この仮説を思いついたのは数年前、同僚が作ったタイピングゲームが職場でブームになり、私もかなりの時間を費やしたが、どうがんばっても一分あたり450文字程度しか打てなかった。

一方、スコアボードを見ると600文字をゆうに越えている人々がいる。そこで気づいたのは、上位の人々は、やたら腕が立つ、生産性が非常に高いプログラマが多いということ。一方、ランキングの下の方を見ると、そういった誰からも尊敬されるような人々の名前は見当たらず。

かくして、タイピングが速いプログラマは腕が立つ説にたどりついた。まあ、例外はいくらでもあるでしょうけど。私の仮説としては、そういった人々は非常に頭の回転が早く、考えていることを表現するには否が応にもタイピングを速くせざるを得なく、私のような人は頭の回転のほうがボトルネックになっているので、タイピングを速くしてもしょうがない、ということで説明ができるのではないかと。

この説が正しいかどうかは別として、タイピングは速いにこしたことはないので、私もズダダダと打てるようになりたいものである。

Satoru Takabayashi