ある日のこと、たわいもない雑談をしていると、知人のプログラマがこんなことを言い始めた。
私の特殊技能は技術的負債 (technical debt) にまみれてヤバいことになっているコードとうまく付き合えることだ。ヤバいコードってのは積もり積もったややこしい問題が絡み合っているからヤバいのであり、そういうのは一気に直そうとするのではなく、ひとつひとつ、うまく解きほぐして段階的に片付けていけばなんとかなるのである!
まあすごい技能だとは思うけど、あまりかっこいい感じはしないなあ。正直にそう伝えると、そこが問題なんですよ!と笑っていた。
それはそうと、氏の話を聞いて思い出したのは以前にどこかで読んだ、アントニオ猪木の言葉だ。大雑把にしか覚えていなかったが、ウェブで適当に検索したら、元の言葉が見つかった。
ピンチって言うのはね、一つのものじゃなですくて、いろんなヤッカイ事が、ダマになってやってくる。だからみんな負けちゃうんです。そのダマをひとつずつやっつけていけば、ピンチってのは必ず乗り切れる!
この言葉は割と印象に残っていて、たまに思い出したりしていたが、ヤバいコードと格闘するときにも使えるとは気付かなかった。今度からはヤバいコードに出くわしたらこの言葉を思い出そう。ピンチの部分をヤバいコードに置き換えれば完璧である。