man読め!という強迫観念 #13

公開日: 2012-01-29


「man読め!」「過去ログを調べてから質問しろ!」「レスって何ですか!」[1] みたいな昔のネット文化に浸かってコンピュータに関するもろもろを学んだ私は、わからないことは自分で調べるのが大原則であり、人に質問するのは最終手段だと思っていた。迂闊にくだらない質問でもしようものなら、この恥知らずの、ど素人めが!という勢いで罵倒されてしまうのだ。

今思えば、これは一種の強迫観念のようなものであった。こういった文化に触れたおかげで自分で調べ物をするのが苦ではなくなった、という点ではよかったのだが、「man読め!」のような偏狭なスタイルに毒されて、自分もそういう態度をとるようになってしまった、というのは反省すべき点である。

それはさておき、自分で調べるのが基本というのは今でも大体そう思っている。が、チームで本格的に開発するようになって学んだのは、自分で調べることに時間を費やしすぎてはいけない、ということだ。これは言ってみれば当たり前の話で、調べ物に丸一日費やして何も進まなかったら、結局はチーム全体に迷惑がかかるのである。

同じ目標に向かって開発をしているチームなんだから、少し調べてわからないことがあったらチームメートに質問して助けてもらえばいい。

それに、Apache の設定ファイルの書き方みたいな話ならウェブで調べればすぐにわかる話だが(昔はそう簡単でもなかったから偉そうにできたのだが)、自分たちが今、作っている真っ最中のソフトウェアの実装上の謎やら、お手製の開発ツールの落とし穴を回避する方法なんか、どこを探したって載っていない。こういったことは、ちょっと調べてわらかなかったら、詳しい人を探して聞くしかない。

かくして、件の強迫観念からはだいぶ解放された。解放されすぎて、今は気軽に質問しすぎ、の方に倒れているような気がしなくもない。。

[1] http://dev.ariel-networks.com/wp/archives/1219

Satoru Takabayashi