昔からエンジンがかかるのが遅いという問題に悩まされていた。学生の頃などはひどいもので、昼過ぎまで寝ていて、ようやく起きたと思ったら、夕方までダラダラとネットをやって、夜になってようやく何か生産的なことをやり始める、みたいなのが日常的だった。ひどいときは、まったく生産的なことをやらずに、重い罪悪感を抱えたままダラダラとネットをやって一日が終わっていた。
社会人になってましにはなったが、作業に取りかかるまでに時間がかかるという点は変わらなかった。なんて自分はダメ人間なんだと思っていたが、例の射撃しつつ前進[1]のエッセイで Joel が同じようなことを書いてて大いに安心したものだ(だからのこのエッセイはとりわけ人気があるのであろう)。エンジンがかかるまでついダラダラしてしまうのである。
何を言っておるのだ!仕事でやってるくせにエンジンがかかるまでダラダラとはけしからん!と言われると返す言葉もないが、ソフトウェア開発の仕事というのは、仕事をしているときと仕事をしていないときの見分けがつきづらいので、ついダラダラしてしまいがちなのである。
調べ物でウェブを見ているのか、ただ暇つぶしにウェブを見ているだけなのか、傍目にはわかりづらい。暇つぶしといっても、ソフトウェア関係の記事なんかを読んでいるのだから、ますます見分けがつかない。大体、Joel がダラダラしてるんだから、私だってダラダラしたっていいじゃないか!いや、全然よくないのだが。。
しかし最近はこの問題がかなり改善された。おそらく一番効いているのは、時間を決めて、早く行って早く帰るというパターンを確立したことであろう。こうすると時間が限られているから、集中してやってさっさと終わらせないといけない。余計なことに時間を使うわけにはいかないのだ。早く終わらせたいから、なかなか返事が来ない相手には催促を投げるし、どうでもいい議論にも首を突っ込まない。結果、時間は短くなっても生産性は下がらず、むしろ上がったように感じる。
と、基本的にはいいことずくめなのだが、ひとつ問題があるとすれば、人助けに割く時間が減ったことだ。困っている同僚を助けるのは大切なことだが、限られた時間で早く終わらせる、というモードに入っていると、そういったことになかなか手が回らない。が、よく考えてみると、同僚を助けているつもりが実はただ邪魔しにいっていただけ、というパターンも多いので、これはあまり問題ではないのかもしれない。。
[1] http://japanese.joelonsoftware.com/Articles/FireAndMotion.html