以前にこんなことがあった。シェルスクリプト用の便利なライブラリを作って公開して意気揚々としている人のところに、「お前、こんなものを公開するな!」と批判する人が現れた。便利なライブラリの何が悪いのかと思ったら、「こんな便利なものがあったら、シェルスクリプトでいろいろできてしまうじゃないか。中途半端に遠くまで行ってしまってから、やっぱシェルスクリプトじゃ駄目だ、と後悔しても遅いんだよ」とのこと。
似たような話に、正規表現で何でもやろうとするのは(パーザーを書いたりとか)よくない、というものもあると思う。こういう話は、なるほどなあと思う一方で、遠くまで行ってダメだと分かってから、別の言語で書き直してもいいような気もする。うまくいけば中途半端な乗り物でもゴールまでたどり着くかもしれないし。まあ、出発する前から、この乗り物ではゴールに辿りつかないとわかるのがベテランなんでしょうけど。
そう考えると、プログラミング言語やツールには、どこまで遠くへ行けるかという、飛距離のようなものがあるのかもしれない。シェルスクリプトの飛距離はいかにも短そうだ。OSやブラウザが書けてしまうんだから、C++の飛距離は長いと言えるだろう。乗りにくいし、変な方向に飛んでいってしまいがちだが。。
最小限の労力でゴールに到達できる、ちょうどいい乗り物を選べるようになりたいものだ。