2005年10月 4日

読解いやな法則: 身近な人の偉大さは半減する

読解いやな法則の第2回です。今回は、もっともいやな法則のひとつである「身近な人の偉大さは半減する」を取り上げたいと思います。

 

身近な人の偉大さは半減する

これは危険な法則です。いくら思い当たる節があっても「そうそう、まったくその通り」などと話題に出すわけにはいきません。そんなことをしたら、周囲の人に対して「みなさんへの尊敬は半減していますから」と宣言しているようなものです。

「身近な人の偉大さは半減する」現象が起きやすいシチュエーションとして、ネット上で一目を置いていた人物と実際に知り合ったとき、があります。ネット上の言動からクールなエンジニアを想像していても、実際には一日の大半をどうでもいい知識の深追いに費やしている「深追イスト」であることがあります。この場合は半減現象が急速に進行します。

このような半減現象は、想像していた人物像と実際とのギャップによって主に引き起こされていると思われます。つまり、勝手に抱いてた幻想の部分が崩れるだけですから、その人への本来的な尊敬が下がるわけではありません。プレミア価格をつけていたのが適正価格に落ち着くといったところでしょうか。

Joel氏によるゲリラ的雇用面接のすすめでは、面接の前に候補者を賢いと思い込むことの危険性について述べられています。採用してしまってから「身近の人の偉大さは半減する」の法則が作用するのでは遅すぎるということでしょう。