2005年11月 3日

読解いやな法則: 現実逃避の方が生産性が高い

読解いやな法則の第4回です。今回は前回の「横着をするための労力を惜しんではいけない」に続く法則として「現実逃避の方が生産性が高い」を取り上げたいと思います。

 

現実逃避というと学生の特権のようなもので、社会人になってまで現実逃避がどうこうといっているはどうかという気もします。しかしながら、私の知人などをみるかぎり、社会人になっても現実逃避ドリブンの気質が根強く残り、本業とは関係ないハックの方が高い生産性をあげているという例は相変わらず見受けられます。

現実逃避は、やらなければならない (ときに、あまり気乗りのしない) 事柄から逃れて、(相対的に) もっとやりたいことに集中して取り組むという状況を生み出します。やる気と集中力が重なるのですから、生産性が高いのは明らかです。

私の学生のときの先輩の一人は、論文を書き始めたかと思うとすぐに人を捕まえて雑談を始めるといった逃避癖の持ち主でしたが、あるとき、めずらしく黙々と Unix ワークステーションに向かって作業していました。

ついにやる気になったかと思いきや、実はアスキーアートの趣向を凝らしたメールのシグネチャ作成に勤しんでいるだけだったことが判明しました (しかも 2種類も)。「現実逃避の方が生産性は高い」のは確かかもしれませんが、必ずしも生産的なことをするとは限らないので注意が必要です。