2007年1月20日

実用上OK - 学校では教えてくれないバッドノウハウ英語 #6

学校では教えてくれないバッドノウハウ英語の6回は、"in practice" を取り上げたいと思います。ソフトウェアの設計に関する議論などで役立つ表現です。

 

ソフトウェアの設計にはトレードオフがつきものです。速度を追求しようとすればメモリの消費が増えたり、メモリを節約しようとすればプログラムが複雑化したりと、さまざまな面でトレードオフが発生します。

すべての条件を満たす理想の設計は存在しないため、実用上問題にならない要素については割り切る必要があります。そこで便利なのが今回紹介する "in practice" という表現です。

"in practice" は「実際上」「事実上」「実用上」といった意味を表します。同様の意味は副詞の "practically" でも表せますが、"in practice" の方が多少、フォーマルっぽい雰囲気がでるようです。

例)
In practice, this is not a major issue.
実際上、これは重大な問題ではないよ。

Apache is unlikely to receive a request that large in practice.
実際上、Apache がそんなでかいリクエストを受け取ることはまずないよ。

このように "in practice" は文全体を修飾する表現として、文頭と文末の両方で使えます。同様の用法で "practically" を使う場合は Practically, this is no a major issue のように文頭につけます。

一方、文全体ではなく、形容詞や動詞を修飾する場合には "practically" を使います。

例)
The information is practically useless.
その情報は事実上、役に立たないよ

The techniques can't practically be used in the real world.
それらのテクニックでは事実上、現実世界では使えないよ

"in 名詞" と副詞が対応している表現は "in practice" の他にも次のようなものがあります。これらを覚えておくと、英文を書く際に、副詞ばかりが続いて文章が単調になってしまうのを防げるのではないかと思います。

in theory, theoretically (理論上)
in general, generally (一般的には)
in particular, particularly (とりわけ)
in parallel (並列に - paralelly は稀)

追記

Danさんから、これ、学校で教えると思うというまっとうなご指摘を受けました。タイトルの「学校では教えてくれない」は "practically" 有名無実になりつつあります。