2007年3月15日
重箱の隅をつつく - 学校では教えてくれないバッドノウハウ英語 #10
学校では教えてくれないバッドノウハウ英語の10回は、 nitpick, cherrypick という、ともに pick で終わる表現を取り上げたいと思います。
"nitpick" は「あら探しをする」という意味の表現です。動詞にも名詞にも使われます。nit はシラミの卵という意味で、シラミの卵を摘み取るのはいかにも小さなこと、という響きがあります。コードレビューの際に、重箱の隅をつつくような指摘をするときにぴったりの表現です。nit-pick とハイフンが入る場合もあります。
例)
It's just a nitpick but I think "file_name" is better than "filename".
重箱の隅だけど、 filename より file_name の方がいいと思うよ。
Please don't nit-pick about non-issues like this. I do think "nitpick" should be "nit-pick".
そういう小さいことでごちゃごちゃ言うな。nitpick は nit-pick だと思うぞ。
また、 nit だけで、「(取るに足らないような) 小さな間違い」という意味でも使われます。
例)
I didn't find any style nits.
スタイル上のミスは見つからなかったよ。
一方、"cherrypick" は「慎重に選び取る」という意味の表現です。こちらも動詞にも名詞にも使われます。 サクランボを摘み取るときのように慎重に選ぶぞ、という感じです。こちらは、リリースエンジニアリングやデータの選択などの議論において用いられます。
例)
Could you cherrypick this fix before you push the new binary?
新しいバイナリをプッシュする前にこの修正を入れといてくれない?
Copying all files is overkill. You might want to cherrypick the ones you really need.
全部のファイルをコピーするのはやりすぎ。本当に必要なやつだけを選び出したほうがいいよ。
"nitpick" も "cherrypick" も「摘み取る」という点では共通する意味を持ちますが、シラミの卵とサクランボではずいぶん扱いが違います。サクランボを摘むよりも、シラミの卵を摘む方が好きな人が多いのはなかなか皮肉なことです。